カリフォルニア州はシリコンバレーを擁し、米国でも有数のビジネス拠点として知られています。では、実際に一年間でどのくらいの新しい会社が設立されているのでしょうか。ここでは、米国の公的機関や調査データをもとに解説します。
1. 米小企業庁(SBA)のデータ
米国小企業庁(Small Business Administration)の統計によると、2021年3月〜2022年3月の期間にカリフォルニア州で新規開業した事業所は 213,893件 でした。
同期間に 120,730件 が閉鎖され、結果として 93,163件 の純増となっています。
参考までに、2020年3月〜2021年3月は新規開業が 180,829件、閉鎖が 171,061件 で、純増は 9,768件 にとどまっていました。
この比較から、2021–2022年にかけて開業数が大きく伸びたことがわかります。
2. 米国センサス局(U.S. Census Bureau)の統計
米国センサス局が公表する「Business Formation Statistics(BFS)」によれば、カリフォルニア州では月ごとにおおよそ 45,000件前後 の新規ビジネス申請があります。
例えば、2025年4月は 45,914件、2025年7月は 44,182件 でした。
年間換算すると、約54万件 の申請数となります。ただし、この数字は「事業申請」の件数であり、すべてが正式に事業として活動を開始するわけではありません。
3. 民間調査による推定値
民間調査機関の分析では、カリフォルニア州における新規ビジネス形成数は年間で 約55万8千件 と推定されています。
これは米国内でもトップクラスの規模です。
4. まとめ
カリフォルニア州の年間の新規会社設立・事業開業の規模は、統計の取り方によって以下のように異なります。
| データ提供元 | 年間件数(概算) | 備考 |
|---|---|---|
| 米小企業庁(SBA) | 約21万4千件 | 実際に開業した事業所数 |
| 米国センサス局(BFS) | 約54万件 | 新規ビジネス申請件数 |
| 民間調査機関 | 約55万8千件 | 推定値 |
このように、カリフォルニア州は毎年数十万件規模の新しい事業が生まれている、非常に活発な経済圏であることがわかります。
参考資料
- SBA 2023 California Small Business Economic Profile (PDF)
- U.S. Census Bureau – Business Formation Statistics (BFS)
- Kaplan Collection Agency – State Rankings in New Business Formation
免責事項
本記事は、執筆時点で入手可能な公的統計および調査結果をもとに作成していますが、最新情報や正確性を保証するものではありません。会社設立やビジネスに関する具体的な判断は、必ず専門家(弁護士、公認会計士等)にご相談ください。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和
