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カリフォルニアで会社設立する際に知っておきたい「Franchise Tax」とは?

カリフォルニア州で会社やLLCを設立する場合に、ほぼ必ず関わることになる税金が Franchise Tax です。
Franchise Taxというと、フランチャイズ経営をするときに支払う税金のような印象を受けますが、カリフォルニアで事業を行う会社はFranchise Taxを支払う必要があります。全く収益がない場合でも、最低年に800ドルのFranchise Taxを支払う必要があるので、注意が必要です。

日本ではあまり聞き慣れない税制度であるため、設立後に「知らなかった」「利益ゼロでも払う必要があるのか」と驚かれることも少なくありません。

カリフォルニア州の Franchise Tax の仕組み、税額、支払時期、初年度免除の有無、注意点 について整理します。


カリフォルニア州で事業を行う「権利」に対して課される州税です。
ポイントは、利益の有無に関係なく課されることです。

項目内容
課税主体California Franchise Tax Board(FTB)
対象となる法人形態Corporation(C Corporation / S Corporation)、LLC、LP、LLP など
課税基準「事業を行う権利」そのもの
重要点赤字でも、売上ゼロでも課税対象

1. Corporation(C Corporation / S Corporation)

Corporation は、年間最低 $800 の Franchise Tax が課されます。
加えて、課税所得に応じた追加税がかかる場合があります。

法人形態最低税額課税所得に対する税率
C Corporation$800課税所得 × 8.84%
S Corporation$800課税所得 × 1.5%

2. LLC(Limited Liability Company)

LLC は、年間 $800 の Franchise Tax に加えて、年間総収入(Gross Receipts)に応じた LLC Fee が課されます。

年間総収入(Gross Receipts)LLC Fee
$250,000 未満$0
$250,000~$499,999$900
$500,000~$999,999$2,500
$1,000,000~$4,999,999$6,000
$5,000,000 以上$11,790

カリフォルニア州では、LLC / LP / LLP を新規設立した場合、設立初年度に限り $800 の Franchise Tax が免除される制度があります。
ただし、Corporation は免除対象外です。

事業体初年度 $800免除
LLC / LP / LLPあり
C Corporation / S Corporationなし

※ 毎年制度変更の可能性があるため、設立時に最新情報の確認が必要です。


法人形態納付期限
Corporation会計年度開始後 3ヶ月目の15日まで
LLC会計年度開始後 4ヶ月目の15日まで(通常 4/15 期限になることが多い)

支払い遅延があると ペナルティや利息が追加されるため注意が必要です。


次のような状態でも Franchise Tax は発生します。

  • オフィスがない
  • 売上がない
  • 銀行口座未開設
  • 実質的な事業活動なし

法人として登記されている限り課税対象となります。
撤退する場合は、必ず 正式な解散手続き(Dissolution / Cancellation) を行う必要があります。


よくある質問(FAQ)

Q. ネバダやデラウェアに会社を作れば Franchise Tax を避けられますか?

いいえ。
カリフォルニアで実際にビジネスを行う場合、Foreign Registration が必要となり、結果として Franchise Tax も発生します。

Q. 日本からオンラインでサービス提供しているだけでも課税されますか?

カリフォルニアとの 経済的つながりの有無(売上、従業員、出張等) により判断されます。
事案ごとの検討が必要です。


まとめ

ポイント内容
Franchise Tax は利益とは関係ない税金存在しているだけで発生
最低税額は $800LLC と Corporation で計算方法が異なる
LLC には Gross Receipts に応じた追加 Fee あり年間売上によって金額が変動
解散しない限り課税が続く「休眠」では止まらない

ご相談・お問い合わせ

カリフォルニア州での会社設立、税務登録、外国会社登録(Foreign Registration)、解散手続きなど、状況に応じてサポート可能です。
具体的な事業内容や投資目的に応じて、最適な法人形態や費用構造をご提案いたします。

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カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和

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