カリフォルニアで会社を設立する際、資本金をいくらにするか相談を受けることが多いです。
資本金は、最初に登録するだけでなく、実際の払込が必要になります。
資本金は、会社の運転資金などとして使われるので、資本金が少なすぎると会社の運営に問題が生じます。
カリフォルニアで会社設立する際の「資本金」:最低額はある?どのくらいが適切?
1. カリフォルニア州には「資本金の最低額」はありません
日本の会社法では、かつては株式会社の設立に資本金1,000万円以上などの要件がありましたが、現在は撤廃されています。
同様に、カリフォルニア州でも会社設立に法的な「最低資本金額」は定められていません。
極端な話をすれば、資本金が1ドルでも法人登記自体は可能です。
2. しかし、運営資金としての現実的な「資本金」は重要
会社を設立した後、事業を継続的に運営していくためには、
- 初期費用(登記費用、ライセンス費用、オフィス費用など)
- 運転資金(給与、仕入れ、保険料など)
を確保する必要があります。
資本金が少なすぎると、こうした費用をまかなうために銀行借入やオーナー個人の貸付に頼る比率が高くなります。
結果として、会社の信用力が低く見られる場合があります。
3. 銀行や投資家の視点:資本金が信用力に直結
銀行や投資家が融資や出資を判断する際、
「どの程度の自己資本を投じているか」=経営者の本気度や財務的安定性の指標として資本金を重視します。
特にスタートアップ段階では、資本金があまりに小さいと次のような問題が起こりやすくなります:
- 銀行口座開設の際に事業規模を疑問視される
- 信用取引(クレジットラインやリース契約)が不利になる
- 将来的に投資家や取引先から「ペーパーカンパニー」と見られる可能性
4. まとめ
- カリフォルニアには法定の「最低資本金額」はない
- しかし、信用力・資金繰り・運営安定性の観点からは十分な資本金が不可欠
- 銀行借入に依存しすぎると、将来的な経営の自由度が下がる可能性がある
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免責事項(Disclaimer)
本記事は、一般的な法的情報の提供を目的とするものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。
読者の皆様の個別の状況に応じた法的判断・助言が必要な場合は、必ずカリフォルニア州弁護士または専門家にご相談ください。
Marshall Suzuki Law Groupおよび筆者は、本記事の内容に基づいて行われた行為や判断に関して一切の責任を負いません。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和
