田中良和国際法律事務所|米国法人設立サポート

日本法人がカリフォルニアで営業する場合 新規設立か支店登記か

日本の法人がカリフォルニア州でビジネスを展開しようとする際、大きく分けて2つの方法があります。

  1. 新規にカリフォルニア法人(Corporation や LLC)を設立する方法
  2. 日本法人を「外国法人」としてカリフォルニア州に登録する方法

どちらを選んでも共通して必要となる費用や要件があるため、その点を理解したうえで判断することが大切です。


年800ドルのフランチャイズタックス

カリフォルニア州で事業を行う法人は、新規法人であっても外国法人登録であっても、最低800ドルのフランチャイズタックスを毎年支払う必要があります。

  • 設立した翌年から課税されるのが原則ですが、最近は一部の新規法人について初年度免除の特例もあります。
  • 登録のみで実際の営業活動を行っていない場合でも課税対象になるケースがあります。

送達代理人(Agent for Service of Process)の指定

いずれの方法でも、カリフォルニア州内に住所を持つ送達代理人を指定しなければなりません。

  • 訴訟の書類や州政府からの通知を受け取る役割を担います。
  • 代理人は個人でも法人(登録エージェント会社)でも可能ですが、確実に対応できる者を選任することが重要です。

メリット

  • 日本法人とは別の法人格を持つため、リスクを切り離せる。
  • 米国での投資・採用・取引において信頼を得やすい。

デメリット

  • 設立費用・維持コストが発生(フランチャイズタックス、年次報告書など)。
  • 日本法人と米国法人の二重管理が必要。

メリット

  • 新規設立に比べコストを抑えて迅速に米国進出が可能。
  • 日本法人のブランドを直接活用できる。

デメリット

  • 日本法人自体が米国での債務や訴訟リスクを直接負う。
  • 会計・税務処理が複雑化し、日本本社と直結するため柔軟性に欠ける。

まとめ

  • 新規法人設立はリスク分散・将来の投資や採用に有利。
  • 外国法人登録はスピード重視・コスト重視の方法。
  • いずれの方法でも、年800ドルのフランチャイズタックス送達代理人の指定は必須要件となります。

免責事項

本記事は一般的な法的情報の提供を目的としたものであり、特定の案件に対する法的助言ではありません。具体的な状況については、必ずカリフォルニア州弁護士にご相談ください。

カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和

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