カリフォルニア州で設立したCorporationやLLCが、インターネットを利用して全米向けにビジネスを行う場合、「他州でもForeign Company Registration(外国会社登録)が必要ですか?」という質問を受けることがあります。
結論から言うと、単にインターネット上でサービス提供や商品販売を行っているだけでは、通常、各州でForeign Company Registrationが必要になるわけではありません。
ただし、他州において一定の実体的な活動を行っている場合には、その州で「doing business(事業活動)」をしていると判断され、外国会社登録(Foreign Qualification / Foreign Registration)が必要になる可能性があります。
Foreign Company Registrationとは?
米国では、会社を設立した州以外で事業を行う場合、その州で外国会社登録(Foreign Qualification)を求められることがあります。
例えば、カリフォルニア州で設立したLLCが、テキサス州でも実質的に事業を行っている場合、テキサス州で「Foreign LLC」として登録が必要になることがあります。
インターネットビジネスだけでは通常不要
近年、多くの会社がオンラインのみでサービス提供をしています。
例えば、以下のようなケースでは、一般的には他州でのForeign Registrationは不要と考えられることが多いです。
- カリフォルニアから全米向けにウェブサービスを提供
- オンライン講座やデジタルコンテンツ販売
- ECサイトによる通信販売
- SaaS提供
- Zoom等によるオンラインコンサルティング
実際、各州法では、単なる州外からのインターネット販売や州際取引(interstate commerce)のみでは登録不要とされることが多いです。
どのような場合に登録が必要になるか?
一方で、以下のような事情がある場合には、その州で「doing business」と判断される可能性があります。
1. 他州にオフィスがある場合
- 支店
- 倉庫
- 店舗
- 営業所
などの物理的拠点がある場合は、Foreign Registrationが必要になる可能性が高いです。
2. 他州に従業員がいる場合
例えば、
- 営業担当
- カスタマーサポート
- 常勤スタッフ
などが他州にいる場合、その州で事業活動を行っているとみなされる可能性があります。
3. 実質的に継続的な営業活動を行っている場合
例えば、
- 継続的な対面営業
- 現地契約締結
- 長期間の顧客対応
- 州内での反復継続した取引
などがある場合には、登録義務が発生する可能性があります。
「どこまでで登録必要か」は州ごとに異なる
注意点として、「doing business」の定義は州ごとに異なります。
そのため、
- 売上規模
- 従業員数
- 物理的拠点
- 現地活動内容
などを総合的に検討する必要があります。
特に、インターネットビジネスでは、「単なるオンライン販売」と「実質的な州内営業活動」の境界が問題になることがあります。
登録しない場合のリスク
本来登録が必要なのにForeign Registrationを行っていない場合、
- 罰金
- 遅延ペナルティ
- 州裁判所で訴訟提起できない
- 未納税問題
などが生じる可能性があります。
まとめ
カリフォルニア州で設立した会社がインターネットビジネスを行う場合、単にオンライン上で全米向けサービスを提供しているだけであれば、通常、各州でForeign Company Registrationは不要です。
しかし、
- 他州にオフィスがある
- 他州に従業員がいる
- 現地で継続的・実質的な営業活動を行っている
などの場合には、その州でForeign Registrationが必要になる可能性があります。
実際に登録義務があるかは、各州法や事業実態によって異なるため、具体的な状況に応じた法的検討が重要です。
※本記事は一般的な法的情報提供を目的としており、個別案件に対する法的助言ではありません。具体的な事案については、米国弁護士にご相談ください。
カリフォルニア拠点(ロサンゼルス、ベイエリア、サンフランシスコ)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和